幻月76

スポンサーリンク
back  next  top  Novels
 返す返すも強い、と直子を良太は再確認した。
 しばし呆気にとられた周りの男たちは、今度は出水の足も縛り上げてリビングの中へと引き摺って行き、とりあえず窓を閉めた。
「じゃあ、俺は買い出し行ってきます。皆さん腹減ったでしょ」
 良太がリビングの窓を開けて出ようとすると、直子が「あたしも行く」と言って玄関に回って良太のあとを追った。
「大丈夫?」
「全然平気」
 直子はきっぱりと答えたが、すぐに「あそこにいるのがいやだったの」と付け加えた。
「じゃ、行こ」
 直子は良太の腕に寄り添った。
 最寄りのコンビニまで車で十分ほどかかったが、あれもこれもとかごに入れている直子を見て、良太はふう、と大きく息をつく。
 けどマジ、どうなるかと思った。
 いくら直子が強心臓だからといって、たまたま運よく、助かっただけだという気もする。
 助からなかったらとかは考えたくはないが、あの男たちは既に二人も人を殺しているのだ。
 松下美帆を殺したのは田口だが、とにかく何が起きても不思議ではなかったのだ。
 一番、気をもんだのは藤堂だろう。
「藤堂ちゃんに謝らなくちゃ」
 車の中で直子が言った。
「良太ちゃんにも、みんなにも、心配かけてごめんなさい」
「うん。ものすごく心配した。結果、直ちゃんのお陰でってことにはなったけどさ」
「ほんとにゴメンナサイ」
「俺らもだけど、谷川さんとか、工藤とか、おっさんら、もろ心臓にくるから、これきりにして」
 ちょっと柔らかい言葉で良太は直子を窘める。
「はい!」
 元気よく直子は返事をする。
 
back  next  top  NovelsThe post 幻月76 first appeared on 月夜の猫-BL小説です.
Source: 月夜の猫-BL小説です

リンク元

スポンサーリンク
スポンサーリンク
BLブログ
スポンサーリンク
love-blをフォローする
BLファンブログ!

コメント