PERFECT BLUE 25-08

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東上大学病院。村山家から戻った榊がドクタールームに入ると、おにぎりを口にしていた川口が顔を向けてきた。「賭け、打ってきましたよ」どうだった?と訊かれる前に、榊はまずそう告げた。そして、自分のデスクの椅子に腰を下ろした。「今日は明確な返事はもらえませんでしたけど、明日また連絡してみます」「皆藤君の様子は?」「かなり揺れてますね。即答で拒否しないあたり、やっぱり教授の目論見どおりかもしれません」「なるほどね。そうかそうか」まずは一歩前進だろうかと、川口が少しホッとした笑顔を見せた。皆藤にとってはかなりの荒療治になるかもしれないしリスクも伴うが、やってみる価値はあるだろうと思うのだ。「これで帰れるなぁ、榊」「いや、もうここに泊まります」「え?」「今日は人手が足りないんでしょ?万が一のために、残りますよ」それぐらいはお礼させてくれとばかりに榊が言えば、川口はアハハと笑った。「確かに、今日は残ってもらえると助かるよ。でもとりあえず君はしっかり食べて、少し寝てきなさい。用が出来たら電話で呼ぶから」昨日は深夜に急患が2人も発生したりして、榊は殆ど寝ていない。非番である今日も朝から飛び回っていた訳で、体を休ませないといけない。だから川口は、ドアを指差しながらそう言った。"何か起きたら"ではなく"用が出来たら"という表現を使うところが川口らしくて、榊は思わず微笑んだ。「あら榊先生、帰らないの?」榊がナースステーションの前を通ると、婦長が声をかけてきた。「はい。今日は泊まります」「あはっ、病院が好きなところまで川口先生に似てきたわね」「すでにゴルフも誘われてますしね」「あははは。彼女とデートもしてあげなさいよ?」「ああ、彼女いるって話してましたっけ、俺。でも振られたんですよ。バレンタイン前日に」「あらやだ、ごめんなさいね~」言葉のわりに全く悪く思っていなさそうに笑う婦長に、榊も思わずつられて笑った。40代にさしかかったばかりのこの婦長は、子供を持っているせいか何だか母親のようで、榊はとても好きだ。朗らかで優しく、時には厳しさも見せる彼女と話していると、心が落ち着く。村山の妻も、皆藤にとってはそういう存在なのかもしれないと、榊はこの一見対照的に見える2人の女性を見ていて思うのだ。「でも、バレンタインに振るなんて、酷いわねぇ」「"ほかにチョコあげたい人がいる"って、大人になってそんな言葉で

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