そんなお前が好きだった141

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 井原はまたぞろガタガタと立ち上がった。
「お前さ、だからって、直に荒川先生に談判しようとか思うなよ? ことを余計に荒立てるだけだ」
 元気は井原のためにコーヒーを入れると、空になったグラスの代わりに井原の前に置いた。
「荒川先生が響さんを脅すような真似をしたことは俺としても許せないが、それもこれもお前の気を引こうとしてるのに、お前の眼中にないからついってこともあったんだろう」
 元気の言葉に、またぞろ腰を下ろした井原は、はあ、と大きなため息しか出てこない。
「まあ、なんで私を見ないのよ的な、自意識過剰肉食系女子は、俺でも願い下げだけどな」
 それを聞くと、東が、「ちぇ、じゃあ荒川先生に目を奪われていた俺らがバカみたいじゃないかよ」とぶーたれる。
「お前は女の経験不足ってだけだろ?」
「ちぇ、女がより取り見取りとかの人気バンドなんかやってたやつに言われたかない!」
 元気にからかわれて東がガブリと残りのコーヒーを飲み干した。
「井原さ、響さんに再度告りなおすつもりなら、外野のことも踏まえて響さんの不安要素を払拭してからにしろよ」
 元気に諭すように言われた井原は、ようやくコーヒーに口をつける。
「有難いご意見いたみいるわ。しかし、そのウエーブとか、ちょっとまずくないか? 職員室もざわざわしてたみたいだし」
「ああ、いや、それはだな、ほぼ方が付いた」
 東が音楽室に乗り込んできた荒川と瀬戸川たちの丁丁発止を話して聞かせると、井原は「すげえな、瀬戸川って」と感嘆の声を上げる。
「そうなんだよ、T大医学部合格圏内の瀬戸川に学年一番で入学してきた青山が正攻法でまくしたてて、悪知恵だけは働く寛斗がダメ押しで荒川先生の退路を断ったんで、結局、荒川先生は校長に呼ばれたけど、ただのいたずらで問題はないって言うしかなかったと」
「しかし今年の音楽部すげえな。瀬戸川ってさ、実際、医学部志望が惜しいくらい、実力つけてきてて、音大も合格圏内レベルだって、響さん言ってたし」
「瀬戸川は今度のコンクールには全力で向かってるんだろ?」

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